ふつつかなおたくのブログ

ひっそりと思ったことを書き留めます。オタクかつ腐女子ですのでそういう話題もあります。

コスプレの罠

最初は愚痴でも書き散らかすか!と思って始めたこのブログ。
しかし最初の記事をたくさん読んでいただいて変な愚痴とかかくの気まずくなりましたw
別のブログ作ろうかな…。

そんなちょっと性格悪い考察のひとつ。
カンチガイなコスプレイヤーさんについて。


オタク腐女子界隈にいると、コスプレイヤーさんとお会いする機会が多いです。
非常に多いです。
昔はコスプレイヤーさんといえば、ある種特殊な方々でしたが、
最近はもう、コスプレまったくしない腐女子のほうが少ない…とまではいわないけど、半分ぐらいはコスプレをたしなんでるんじゃ?と思うくらい多い。
(という私もどうしようもなく好きなキャラがいて、コスプレしてたことがありました)


その中でもちらほらお会いするのが、「あーカンチガイしてるなこのひと(笑)」って思う人。
自分の価値を明らかに高く見積もりすぎちゃってるというか。
お高くとまって、とにかく人を見下していたり、
誉めないとあからさまに不機嫌になったり。
延々と自分の自慢話しかしない人がいたり。
同じレイヤーさんの悪口を言ったり。
お高くとまってるからといって、すごい美人とか、超絶ハイクオリティコスプレってわけでもない。大半がいたって普通の人。


もちろん人間的に素敵な方も多くいます。
しかし嫌なやつの方が印象に残るのも事実。


最近もそんな人に会いました。
そして歪んだ人に会うとつい「この人なぜこうなった?」と考察してしまう私の悪癖。
自分がコスプレしてた頃を思い起こして、私なりに考えてみました。


◯年前。
初めてコスプレをし、おずおずとイベント会場に出た私をまず襲ったのは、
「ありえないくらい褒められる」
でした。
一生分くらい褒められました。
かっこいい(男装)、美麗、超似合いますね、本物ですね、etc。
もちろん、全部コテコテのお世辞です。
初のコスプレで、衣装もウイッグも稚拙だった私が、カッコイイわけがない。
それでも褒められました。
一言もけなされませんでした。
なので、たぶん誰でも誉められます。どんなに元が悪くても。ほんと。嘘だと思うなら一回やってみ?どんなデブスでも日常の10倍くらいは誉められると思う。
ほら、別にかわいくない友達でも、浴衣とか着て現れたらとりあえず「かわいー!!」って言っとくじゃないですか。あれですよ。

加えて、当時のコスプレ会場ではコスプレイヤー同士の交流が盛んで、Aのコスをしている→Aが好きなんだ!同志!と仲良くなれることがよくありました。(これはほんとにコスプレの良いところだと思ってます)
そのご挨拶、親愛の表現として「誉める」っていうのは手っ取り早くて有効なわけです。


と、解ってはいても。
日常では滅多に浴びせられることのない、誉め言葉の数々はとても美味しく。
私も、もしかして私、本当はカッコいいのかも!?綺麗なのかも?!と一瞬カンチガイしてしまいました。
まぁ、すぐ我にかえったんですけど。


カンチガイしたイタイ皆さんというのは、ここで我に帰らなかった人たちなんじゃないか。
チヤホヤの魔力はほんとうに強いです。

例えば、普段からプライドの高い、けど現実ではあまり社会に馴染めない、地味な女の子がいたとして。
(私はほんとうは誰よりも可愛くてモテるんだから。学校のやつらはわかってないだけ)
と思って日々をすごしていたとします。
そんな彼女が、ある日コスプレをして、イベント会場に降り立ちました。
おとなのひとたちから浴びせられる、誉め言葉の数々。「かわいい」「きれい」。ああ、この人たちはわかってる!やっぱり私は誰より可愛いかったんだ!思ってた通りだった!

男性人気のあるキャラなら、カメラマンさんが群がることもあります。ほら、学校の女子たちがこんなにモテることなんてない。ここでは私は認めてもらえてる。
これが本当の私。


…ちょっと極端な例を考えましたが、まぁ、誉め言葉は麻薬のようだなとつくづく感じます。
誉め殺しという言葉があるように、ほめられて持ち上げられてチヤホヤされると、どんな人でも少しは舞い上がる。
ほとんどの人はだんだんと我に帰るか、あーお世辞だな(笑)と聞き流すんだと思いますが、 この過剰褒められ状態を「これが本当の私の価値なんだ、褒められて当然なんだ」と勘違いしてしまうと、カンチガイな上からレイヤーさんの一丁上がりになるのかなあと。


私はというと、
そのあとしばらく「好きなキャラの格好してチヤホヤされる」(しかも好きな作品の話ができる)(しかも好きなキャラが話しかけてくれたりする)の快楽にハマり、コスプレイベントや撮影会、オンリーイベントに参加しまくりました。
でも仲良い友達ができて、仲間だけで撮影会にこもるようになると、別に褒められもチヤホヤもされなくなるんですよね。
友達として馴れちゃってるから。わざわざお世辞いわない。
そんなものです。
でも、そうなってからが一番楽しかったなあ。
これからコスプレを始めるかたがいたら、誉め殺しにのぼせることなく、礼儀をわきまえて楽しく活動してくださいな。